家具のリサイクルならよく聞きますが、アップサイクルって?
12日から始まる「蘇る家具展」のレセプションパーティーでのトークショーに伺ってみました。
写真:左からLCIジャパン代表の菊池さん、1LINE(ワンライン)代表の眞鍋さん、
Coler Design Firmの網村さんのお三方が語ります。会場はLCIジャパンのショールームにて。
眞鍋さんは、使い込まれた歴史ある家具や、巨匠のマスターピースと呼ばれるような家具に、手を加えて蘇らせる他、中古住宅や空家を蘇らせる1LINEという会社を設立してまだ1年半ほど。トークの中では、物を蘇らせると同時に、それにまつわる職人さんの技の継承や、「作る人も、直す人も、使う人も共に平等にハッピーに!」というビジョンを強く語ってくれました。
真っ白に劣化した黒革が、新しい革に張り替えられることなく、美しく蘇っていました。
その革に汚れ防止などを施し、価値をプラスして世に送り出しています。
単なる再利用のリサイクルではなく、元のものにさらなる付加価値を加えたアップサイクル!
でも、価格は新品よりはるか〜にお安いのです。消費者にとっては、嬉しいシステムです。
写真上:アップサイクルされた名作マラルンガのソファー。歴史あるブランドの壁紙とLCIの照明が網村さんによりコーディネートされている。
では、それらの名作家具の新品を販売しているメーカーや会社にとってはどうなの?
と私は見方を変えて考えてみました。本物の家具に触れずに生活してきた若い人などにとってアップサイクルの家具は、貴重な出会いの機会になると思います。実際に使ってみるとその価値がわかります。手入れをすれば50年、60年と一生使える家具であることが理解できれば、決して高いものではないと思うことでしょう。家具を見る目が肥えて、いつかは新品を!と憧れを抱くと思います。
今はジェネリック家具も多く出回っていますが、正直、それとこの本物のアップサイクルされた家具とでは次元が違う気がします。
なので、一般の方の、本物の家具への敷居の低い入り口と捉えれば、新品を扱うメーカさんともwinwinの関係になれるのだろうと感じました。
写真上:アップサイクルされたLC1スリングチェアと、クアドロという照明、深いグリーンの壁紙の
コーディネーション。
そして、ルーメンセンターイタリアジャパン(LCI)も、日本で展開し始めてまだ2年ほど。
菊池代表もその歴史を語ってくれました。上のスタンド照明クアドロは、90年前の開業当時にデザインされたもの。このLEDのものは第7世代だそうです。改良を加えつつも受け継がれてきたデザインが今尚、モダンに見えます。
眞鍋さんの思いに通じるところが沢山あるのですね。
それら2社の思いを汲み取り、素敵な壁紙とともに、コーディネートしてくれたのが網村さん。
一つ一つ解説してくださいました。素晴らしいコラボを楽しませていただきました。
写真上:トークショーのあとは、多くの方々がワインを片手に 椅子や照明を鑑賞しました。
どんな人も、住替えで家が変わったり、家族構成が変わったりして、暮らしが変わります。
気に入った名作家具であっても暮らしにマッチしなくなることもありますよね。でも、素晴らしい職人がアップサイクルしてくれて、誰かがまた使い続けてくれたら、手放すことに喜びすら感じられるかもしれません。安いものをじゃんじゃん買ってじゃんじゃん捨てることから脱皮して、本物を循環させる社会を成功させるには、そこにハッピーな気持ちを添えていくことだと感じます。
コーディネーターの提案の選択肢の一つとして、私の引き出しにも、「アップサイクル」入れておこうと思います。
写真上:ショールームにいた目がひかる黒猫ちゃん。夜見つめられたら・・・怖かわいい!?
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ツジ チハル
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