10月8日(月)、今日で終了する藤田嗣治展は本当に壮大な展示会でした。100点を超える作品が、時代とともに展示されているので、彼の画家人生を辿ることができました。一緒に行ったIC友達や、アートに造形が深い方々がブログを発信してくれているので、私は彼の別な側面を書いてみようと思います。それは彼のマーケティング能力の高さ!市場にないものを創造して発信していくことが、彼を成功へと導いたのだと感じました。
パリに行ったばかりの頃の絵を見ると、さほど藤田の特徴的なものはまだ感じられませんでした。その後、面相筆で、細い黒い輪郭線で描く絵画が目立ってきます。日本画の手法です。きっと海外に行ってこそ、日本画の素晴らしさを再認識したからではないかなぁと素人ながら感じました。
その時代は、日常のものを題材にすることはなかったようです。そこで藤田は「みんなが描かないものを描こう!」と決めるのです。彼の身の回りにありふれたもの。でも、それらが、彼自信を自画像以上に語るのでした。さらに彼は、「みんなが色を多用しているなら自分は色を捨てよう!」と決めるのです。
白と黒の世界。いよいよ乳白色の時代に入っていきます。パリでの人気も高まっていきます。そんな中、「黒は日本の得意とする色だ。黒では、かなわない。だったら自分は白で行こう。」と決めるのです。パリの人たちには、それは新鮮に映ったことでしょうね。それに、線画とモノトーンで描かれた絵は、墨絵を思わせ、東洋的なものを感じさせたようにも思います。彼の日本人としての、アイデンティティーが、それを成功させた原動力になったようにも思います。
ほぼ乳白の微妙な濃淡のみとなっていきます。もう本当に乳白色が真珠のように輝いているのです。真珠という表現が一番近いと私も思いました。
この乳白色を生み出すには相当な試行錯誤があって、苦労を重ねたと言われています。そして、この乳白色こそが、彼を不動のアーティストとしてのブランディングを決定づけたのですね。
私は、経営については、グロービスという学校でちょっとかじっただけで、素人なのでウィキペディアから抜粋しました。「市場創造」とは、「市場(=顧客)の既にあるニーズを満たし、まだないニーズを探し、満たす活動のこと。つまり、マーケティング活動の中心的概念。」とあります。
藤田が前述のように、まだ世の中にないもの、人がやってないことを探し出し、探求して世に発表していく過程は、まさにマーケティング戦略の市場創造だと思いました。
そして、他の人がやすやすと真似できない色を、苦労して作り上げたことで、競合が容易には参入できないようになっているわけですね!自然と「参入障壁の高さ」ができているんです。すごいなぁ・・・。
面相筆を手にした彼の自画像も、自身に満ち溢れていますね。
もちろん、彼がマーケティングを計算づくでやったわけではなく、そういう臭覚が潜在的にあったんだと思います。
逸話の中には、彼が受賞に執着していたことなどもあり、「絵を描いてさえいれば幸せ」という画家とは違って、認められたい願望はとても強かったように思います。2015年に彼の映画を作った小栗康平監督が、彼と友達になりたいですか?の質問に『なりたくない』と答えている記事があって面白かったです。オダギリジョーが扮する藤田と、5番目の奥様君代は中谷美紀 。この映画も面白そうですね。内容は史実とは異なるようですが。http://www.webdice.jp/dice/detail/4902/
ちなみに私の好きなテレビ番組は、日曜美術館、美の壷、美の巨人などです。欠かさずに見てるわけではないのですが、画家の生涯などを知ると絵を見る目も変わるので、面白いです。
で、おまけ! 日曜美術館の司会者、作家の小野正嗣さんって藤田に似てませんか?
最初に見たときはびっくり!すっごい話題になったので、今はもう髪型もメガネも変えてしまいましたが・・・。ぜひ、皆さんもご覧になって見てくださいね。
下記の記事は https://delaidback.com/nichibi-onomasatsugu/ より。
一緒に行ったコーディネーター友達のブログも、下記よりぜひご覧ください。皆さん違った目線で面白いですよ!
アンテリユインテリアデザインの寺田さん
http://interieur.sblo.jp/archives/20180826-1.html
http://interieur.sblo.jp/article/184351056.html
Luxe Maison Interiorのみねぎしくみさん
https://luxemaison.storeinfo.jp/posts/4981571?categoryIds=1168644
㈱フリーダムデザインの小池祥子さん
https://koikeic.exblog.jp/28711773/
☆「建築散歩。迎賓館ライトアップと藤田嗣治展」のブログもぜひ合わせてご覧ください。
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ツジ チハル
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