昨日に続いて、今日はカンディハウスの新作発表会と、橋本夕紀夫先生のトークショーについて。写真上は、新作コレントのダイニングセット。アームチェアはIFDAのコンペでゴールドリーフ賞を獲得した椅子だそうです。デザイナーはミッコ・ハロネン。フィンランド出身でアアルト大学を出た方。そこはかと北欧の柔らかさを感じますよね。何よりアームと背の繋がりが個性的。
もう一つは、写真上のTACK LUX リビング イージーチェアー。今回は北海道産のタモ材を使い、背と座には北海道砂川市にある日本唯一の馬具メーカー「ソメスサドル」の厚革を張った、〝オール北海道〟での再デビュー、とのことです。こちらは日本人デザイナー。誰もが北欧の巨匠モーエンセンのスパニッシュチェアを思い起こすと思います。きっとオマージュが込められているのだろうと思います、勝手な憶測ですが・・・。私は写真でじっくり見比べて見ました。もちろん、どっちがいいとかではなく、比べるとそれぞれの特徴がよく理解できる気がします。
2階に上がると、ショールームの一角では、立礼式のお抹茶のおもてなしが人数限定で振舞われました。お着物を着た方がより一層会場を華やかにしてくれていました。
そしてもう一つの目玉!カンディハウスでは、ショールームでのカクテルアワー前に草月会館で、インテリアデザイナー橋本夕紀夫先生のトークイベントを主催してくれました。
私は、前の会社の時に、橋本先生と一緒のプロジェクトに参加させていただいたことがあります。会場に入ると、先生から、「どうも!」とお声がけくださり嬉しかったです。
本当に、誰もが一緒にお仕事をしたくなる温もりのあるお人柄の方なんです。
会場は、満員御礼。トークショーのテーマは、「オリジナル アイコン」。そもそもアイコンってどういう意味?・・・偶像。あこがれや崇拝の的となるもの。また、象徴的なもの。イコン。とありました。先生のデザインの象徴とは何か?ということでしょうか?
「一瞬も美しく、そして末長く古びない、むしろ経年変化でよりよくなっていく空間づくり」を目指しているそうです。化粧品メーカーのコピーに、「一瞬も一生も美しく」というのがありますが、人も建物も同じですね。
そして橋本先生が影響を受け崇拝する3つのものを挙げてくれました。そのうちの一つがフェルメールの絵画。
これは、ちょっと意外でした。空気が見える・・・何しろ奥行きがすごい・・・とのことでした。ルーブル美術館の中で1番この絵(写真上)に感動したそうです。(ちなみに私は、サモトラケのニケ・・・。)
もう一つは、待庵。400年経った今も、アバンギャルドを感じるんだそうです。
もう一つは、ルイスカーンのキンベル美術館。時間とともに変化する光にパーフェクトを感じたそうです。
そして、数あるご自身の代表作からいくつかご紹介してくださったのですが、先の3つと同様に「空気感」とか「間合い」といった言葉が多く出てきて、そういう目に見えないものを大切にされていることが感じ取れました。
面白かったのは「誰かとコラボって8割苦痛!気を使うし・・・。でも残り2割が面白い。」という本音のお話!実際に、色々なアーチストや、伝統工芸の職人さんと、セッションして作り上げていくスタイルが多いようです。わかる気もします。苦手な人って、自分にはないものを持っていたり、違う角度でものを見たりする人なんだけど、そういう人とこそ、新鮮な化学反応が起こる気がします。
私が橋本先生とご一緒させていただいたプロジェクトでも、途中で、上層部から、かなり突拍子もないリクエストが舞い込み、みんな「えー!無理。気にしないでいいんじゃないでしょうか」という感じだったのですが、先生だけは「待って!そういうところから、新しい、面白いものが発想できる場合がある!」と言って、真剣に考えてくださったことを覚えています。
先生の最近の作品、コンラッド大阪のホテルにも足を運びたいと思いました。(写真下)
カンディハウス、カッシーナ、ミノッティ・・・それぞれのショールームで、心からのおもてなしと共に、新作を見せてくださったことに心より感謝します。やっぱり、新作は私たちをワクワクさせてくれますね!(カッシーナ・ミノッティについては、前回のブログをご覧ください)
☆みなさんにとってアイコンってなんですか?影響を強く受けたものはなんですか?
とっさに答えられない私・・・。よーく自分の中を覗いて見たいと思います。
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ツジ チハル
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