1月26日、パナソニック汐留ミュージアムで、「子供のための建築と空間展」を視察しました。
時代とともに変わる小学校や保育園の建築を見ることで気づくことも!
展覧会記念対談会では、かの象設計集団の富田玲子先生と、展覧会を監修された長澤悟先生のお話から、子供の成長に建築の力が大きく作用することを学びました。
まずは、対談の中から、印象的だったことをお話しますね。残念ながら撮影禁止だったので、
あまり写真がないのですが・・・。
国内外で、たくさんの学校や施設を手がけてこられた富田先生が、大切にしていることを3つ教えてくれました。
①子供たちが身も心ものびのびいきいきできること=心地よい暮らしの場であること
②ここにしかない=建築と空間が地域の特性を反映して、地域のシンボルになっていること。そして、特殊な教育方針(例えば裸足)に対応していること。
③自然とともにあること=光・水・鳥・土・虫・風・雪・・・・
(写真上と以下の建物の写真は、全て宮代町立笠原小学校。グーグル検索より)
中でも①身も心ののびのび・・・についてもう少し詳しく、みなさんにお伝えしたいと思います。
①−1、五感に訴える色々な居場所を仕込んでおくこと。
それをオノマトペで言うとぬくぬくの場所・こそこその場所・すっぽりの場所・ぎゅうぎゅうの場所。子供の体のスケールに対して多様性をもたせた居場所があることが大切だと言う。
確かに、幼稚園の頃、ストーブの上でお弁当を温めてくれて「ホカホカ」の思い出などはリアルに温もりや匂いまで思い起こせます。
①−2、五感に響く素材を考えること。
オノマトペでは、ペタペタ・ひたひた・ふわふわ・ツルツル・ザラザラ・ドロドロ・とげとげ。
様々な触感が手や足の裏や、肌からの刺激となって脳に伝わるんですね。それが感性を形成するのにとても重要なことだと言うお話に納得。気持ちいい感覚、気持ち悪い感覚、好きな触感、子供時代にたくさん感じることは繊細な感受性や表現力などを豊かにしてくれそうです。
①−3、不思議なもの、あると楽しいものを空間に入れておく。
なぞなぞとか、標語とか、子供たちが作ったものなど。
クスクス・ウフウフ・ケラケラ・フムフム・・・
宮代町立笠原小学校には、標語が刻まれてましたが、大人になっても忘れられないと多くの卒業生が語っているそうです。そして、卒業生であることを誇りに思っていると。
①−4、内と外。建物と庭と町が緩やかに連続すること。
スケスケ・そよそよ・ゆるゆる・・・・曖昧模糊に繋がっている部分があること。
そう、外は刻々と表情を変え、四季折々のオノマトペを持っていますね。「外」は心地よく刺激を与えてくれるオノマトペの宝庫ですね。
長澤先生が、「人間だけが長い子供時間と長い高齢者時代がある。それはなぜなのか?」と、問われた。うーん。私なりの答えとしては、長い子供時間の間に、人間は遊ぶ。その中から沢山のことを感じて人間だけの「感性」を育むんですね。
さて、皆さんの、子供時代の忘れられない空間はどこですか?どんな居場所でしたか?オノマトペにすると?
子供が過ごす環境に大きな影響を与える建築、改めてその重要さを痛感するセミナーでした。
汐留ミュージアムの展示は3月24日まで。
こちらは、明治以降を時間軸に沿って小学校などの建築を写真や模型で振り返ったり、遊具などの変遷の資料を見ることができます。
その流れからは、木造の和洋折衷の時代から、鉄骨、コンクリート時代を経て、今また、木に戻っていることを感じました。これからの少子化時代、コンクリートである意味は薄れ、体の健康とともに心の健康や、情緒の健康がますます求められる時代。そして、個性を育むことも大切な時代。子供たちが大人になった時、「あの学校で過ごせて幸せだった!」と心から思える建物が増えることを願います。
今回のセミナーに、お誘いくださったアイコンの子供研究会の方々に感謝申し上げます。写真上は、セミナー後も、色々な書籍や資料をもとに情報交換する勉強熱心な研究会の皆様。
☆自宅をオノマトペの感じられるインテリアにしたい。あるいは、子供部屋を自由な発想でリノベしたいという方は、ぜひご相談くださいね!
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ツジ チハル
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