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家もフライパンも育てるもの?

更新日:2023年1月10日

2023年、あけましておめでとうございます。

今年も、私のような小さな会社が、携わることのできるお客様はほんの少しの方々ですが、良いご縁があることを願っています。

実際にお会いすることはないかもしれませんが、これから家づくりを考えている方に、お役に立てる情報や、こんな考え方もありますよ、というお話を書いていこうと思います。


日本ではまだまだ新築志向が強いなと感じていますが、やっと住み替えや、リノベが多くの方の選択肢に登るようになってきたと思います。

古いマンションをスケルトン状態にして思い通りに改修したり、キッチンやお風呂などの設備を新しくしたり、様々です。

でもまだ、「前に住んでいた人がリノベしたことを高く評価する」までには至っていないような気がします。

欧米の方は、その家がどのようにリノベされているか、そこに価値を見出します。「住んでいて使い勝手や住み心地が悪いところを改良して暮らしやすくしてある」と、捉えます。そして、さらに自分達の生活に合うように改良を加えるのです。

リノベされている=綺麗に新しくなっている ではなく

リノベされている=住み心地良くなるよう育ててくれてある

という感じです。

ヨーロッパでは、建物自体を200年、300年と受け継いでいくのでそういう文化になったのだと思います。



家もフライパンも育てるもの?ブログ

私はテフロンのフライパンがすぐにダメになるのが嫌で、10年前くらいに鉄のフライパンを買いました。でも最初は、材料がすぐに張りついちゃうし、焦げちゃうし、まったくもう!とイライラしてばかリ。3年くらいしてやっと馴染んできたなと感じました。

今では何のストレスもなく、鉄分も取れていいかもと気に入ってますし、一生使えると思います。

実家に帰ると祖父が使っていた小さい鉄のフライパンがあります。目玉焼きを2個焼くくらいの大きさです。使う頻度は少ないのですが、いつ使っても、張り付くことなく焼くことができます。あー、おじいちゃんがこのフライパン、時間かけて育ててくれたんだなぁと思います。


家もフライパンも育てるもの?ブログ

家も、フライパンもより良く育ててあると、それは価値になるのだと思います。ピカピカの真新しいフライパンより、使い慣らしたフライパンは、プライスレスです。

一般的な不動産屋さんの営業マンは、築年数にとらわれて、そこに価値を見出してくれないかもしれませんが、買う立場の消費者は、リノベの良し悪しを見分ける目が養われているほどお得です。無駄なリノベ費用を使わなくて済むのです。

ぱっと見の綺麗さだけに惑わされることなく、間取りや収納などが自分の暮らし方に合っているか、見極めることができるとお得だと思います。

そういうリノベがされた物件を選べば、間取り変更などの大きな工事費をかけず、壁紙などの表面的な改修や家具などのインテリアに費用を回すことができて、より理想に近くなります。


どうやって見極めるの?と思われますよね。それはその間取りの中で、ご自身や家族がどう暮らすか、日常生活をシュミレーションしてみるのが良いと思います。ここで洗濯してここにしまって、ここで着替えて・・・など様々なシーンや収納量などを具体的に。

難しければ、私たちプロに判断を仰ぐというのが賢明かもしれません。


日本の住宅市場がリノベの内容を評価・査定できるまでに成熟するにはまだまだ時間がかかるかもしれませんが、それぞれのお客さまにとっての本当の価値を生み出すリノベやコーディネートができるよう、今年も頑張ります。

そして、それがまた次の住まい手の、暮らしやすさや、さらなるリノベに繋がっていけばいいなぁと思います。


ツジ チハル

(株)ハルインテリアディレクションズ
千代田区九段南2−4−11 
※マンションリノベやインテリアコーディネートのご依頼下記メールよりお待ちしてます。




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